1914年1月にポストは心身の衰弱で倒れました。新聞の報道で彼は、絶対安静の為、サンタバーバラの農場へ移ったと報じられそうです。
3月に主治医は、ポストを中耳炎と診断します。
何という皮肉な事でしょうか。
ポストが取り扱う商品、グレープ・ナッツの誇大広告には、中耳炎を予防もしくは治療すると書いてありました。「不健康や過ちや病気は人間の頭脳が生み出すものであり、催眠もしくは異常な精神状態において存在する」と書いた人物にとって、手術の必要を認めることは、信念を根底から覆される様な思いだったのではないでしょうか。
ポストは、ミネソタにあるメイヨークリニックで手術を受ける為に、カリフォルニアから専用列車でミネソタへ向かい、手術が無事に終了しサンタバーバラに戻ったポストは、ひどい抑鬱症になりほとんど寝たきりになってしまいました。
かつてポストは「完全な健康には天国の味わいがある」といい「そして病気は地獄の味がする」とも言っていたのです。
つづく