インフルエンザが流行して、それにやられたヴィクトワール王女をトリアノン宮に
ルイ15世が見舞いに行こうとした、1757年1月5日の夕刻でした。
ヴェルサイユ宮殿の建物を出て、王が馬車に向かった時、不意に飛び込んできた影がありました。直後にルイ15世は血塗れの腹を抑えていたのです。
短刀で刺された、暗殺の企てだったのです
王が一命を取りとめたので、暗殺未遂事件なりましたが、その場で取り押さえられた犯人は、
ロベール・フランソワ・ダミアンという42歳の貧しい下働きです。
単独犯として裁かれ、車裂きで処刑されました。
ルイ15世は冬の厚着のおかげで、ほんの掠り傷の程度で済みましたが、寝室は面会謝絶になりました。
しかし数日後には、珈琲を淹れてさしあげようなどと、寵姫であるポンパドール夫人の部屋に入って来たのです。
この話で思い出したのが、随分前に入院していた時、看護婦さんから「コーヒーは飲まないでくださいね。」
と言われて、2.3日は我慢していたのですが、それも限界を迎えてこっそり持ち込んだコーヒーセットでお湯を沸かし、ミルで豆を挽いてコーヒー淹れてひっそり飲んだ事を思い出しました。
やけに美味しく感じたものです。